古代小麦を育てて天然のストロー作り2/3 Making Straw & Pasta from Hom...
去年の秋にまいた小麦は発芽、麦踏み、お花見を経て刈り取りの時期を迎えました。
麦の秋 あからあからと 日は暮れぬ 正岡子規
二十四節気七十二候の「麦秋至」は5月末~6月初旬。
ちいさなソラノコはたけも小麦の一画だけが金赤色です。
植物はいつも「自分の時」を知っていますね。
梅雨入り前、晴れの続く日をねらって収穫です。
茎が乾いていると、刈り取り、束ね、干す作業がしやすいからです。
また、長雨で倒れたり、穂のまま根が出たり、カビたりなどを避けるためです。
ちいさな手でのこぎり鎌をにぎって、ザクッ。ザクッ。
刈ってみると以前体験した稲の時と大きく違うことが分かります。
それは
「麦の茎はしっかりと丈夫なこと」
「茎の中心にきれいに空洞があること」
…まさにストローです!
ストローの歴史がまた、5000年以上も前の、元々の素材や名前や用途が意外で世界がつながる物語です。(※1起源)
天然のストローをつくって(※2作り方)、季節の果物で発酵ドリンクをつくって、いただきます!
「ちゅうう。」
(古代小麦3/3世界最古のパスタ・テスタローリをつくろう♪へつづきます)
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《ソラノサトのいちからシリーズ》とは?
食、道具、ひと、行事、文化…
つながりめぐる世界をいちからつくるところから
五感まるごとで体験するシリーズです。
*1 <ストローの起源>
ストローの誕生は紀元前4000年~3000年頃、つまり今から5000年~6000年前、西アジア・中近東のメソポタミア文明がはじまりといわれています。
当時の様子が描かれた陶板には、シュメール人がビールを製造する姿があり、ビール液を濾過(ろか)する技術がなかったため、できあがったビールを飲むとき不純物をよけて液体だけを飲めるように『葦(あし)』の茎をさして吸うという工夫が生まれたそう。
ペルシャ語で葦は「neyネイ」。ストローのことも「neyネイ」。
ちなみにメソポタミア文明の楔形文字も、葦の茎を削って尖らせたペンを、粘土板に押し付けて記録したものなのだそう。
葦のストローがヨーロッパに伝わると、材料はその土地で手に入りやすい麦わらになりました。
すると各言語のストローは、ラテン語『paleasパリース(麦わら)』、ドイツ語『strohhalmストロハン(麦わら)』、オランダ語『rietjeリーチェ(麦わら)』、英語『strawストロー(麦わら)』。
まさに原材料が、そのモノの名前になりました。
日本でストローの生産がはじまったのは1901年(明治34年)。
丈夫で太い麦を収穫できた岡山県が発祥の地とされ、現在も国内シェアの半分以上を担うトップメーカーは岡山県にあります。
1950年頃までは、喫茶店やカフェでも麦わらのストローが使われていましたが、稲の裏作として栽培されていた麦が姿を消すにつれ、より安価で汎用性と耐久性の高いプラスチックに移行。
プラスチックストローはその後世界中のドリンクの場面を席巻してきましたが、「海洋プラスチックごみ」が世界的に取り上げられると、使用を控える対象として代表的な存在に…。
いまふたたび使い方や素材が見直されながら、環境へ意識を向ける役割を担ってくれています。
※2<麦わらのストローの作り方>
①太い茎を選び、両端の節を切り落とします。
*無農薬、無化学肥料のものを選びたい
②お好みの飲み物を飲んでみよう。
*使い終わったら、洗って、風通しのよいところで乾かそう
*使ううちに弱くなってきたら土に還そう