【竹ほうき師匠の竹ほうき】4.それがだれの手によって生まれたか
4.それがだれの手によって生まれたか
竹ほうき師匠は言います。
「ほうきを作るのが好きなんです」
『割に合うか』と言えば
時間、労力、竹林へ通うための交通費…
このほうきに倍の値段をつけても
合わないでしょう。
けれど
「作ってしまうんです笑」
竹林に同行させていただいて感じたこと。
竹林にいる時の師匠は
膨大な量の作業を
ペース乱れることなく
穏やかにご機嫌よく行っています。
ほうきつくりを教えていただいて感じたこと。
束ね方、整え方、
ひとつひとつがとても真摯です。
[写真:竹ほうき師匠のほうきつくりの様子3]
そして、
できあがったほうきは
素朴で、美しく
しなやかで、掃きよく、
師匠のお人柄が表れているようです。
だからなのか、わたしは使うたびに
しあわせな気持ちになっています。
そのモノが
だれの手によって
どのように生まれたのか。
物語をもったモノは
日常を、暮らしを
豊かな深みのあるものへと
彩ってくれるように思うのです。
(つづきます)