カーネーションcarnation -暮らしの中の草花-
普段自分では選ばない種類や色も
それだけに注目してみると
それぞれのかわいさや興味深い話が
いっぱい。
カーネーションのことを調べていたら
まつわる話がたくさんで
ひとつの物語を読んだみたいになりました。
今週の洗面台の花は
ピンクの縁取りのカーネーション。
濃く強い色も、縁の部分だけだと上品です。
6本しかないので鏡の前に飾って
まんまるにボリュームアップ。
アレンジメントにするなら、
マットなドラジェみたいな
白いプレゼントボックスに入れて、
上質なピンクのリボンをかけたい。
ピンクは
心と身体の周波数を高めてくれる色。
色の力を借りて
ほっとほんわかいきましょう♪
【カーネーション】
和名:オランダセキチク(阿蘭陀石竹)・オランダナデシコ(阿蘭陀撫子)、ジャコウナデシコ(麝香撫子)
学名:Dianthus caryophyllus
英名:carnation・clove pink
科名 / 属名:ナデシコ科 / ナデシコ属(ダイアンサス属) 多年草
原産地は地中海沿岸地域・南ヨーロッパ、西アジア、熱帯・南アフリカの山地。
古代ギリシャ時代(紀元前3000年~紀元前149年 *諸説あり)には栽培も始まっていたそう。
原種のひとつDianthus caryophyllus (ダイアンサス・カリオフィルス)はひと重で、色はピンク~ベージュピンク。
この色を表すラテン語の「carn(肉の色)」がcarnationの語源と言われています。
(あるいは戴冠式の冠飾りcoronation flowerなど諸説あり)
Dianthus caryophyllus (ダイアンサス・カリオフィルス)には「clove(チョウジ)」のようなスパイシーな香りがあり、昔はワインの風味づけに使用されていたので、別名「clove pinkクローブピンク」とも呼ばれています。
16世紀頃からイギリス、その後フランス、アメリカで品種改良が進み、現在ナデシコ属には約300種。
日本にはじめてカーネーションが入ってきたのは、江戸時代(1603年~1868年)初期頃。
『地錦抄録』(1733年)に、徳川家光の時代(1623年 – 1651年)にオランダからアンジャベル(アンジャ)が伝わったと記録されているそう。(ちなみに現在のオランダ語ではanjer)
国内での栽培は、1909年(明治42年)アメリカから帰国した澤田 (お名前不明)氏が、東京で栽培に挑戦したのがはじまり。
想いを引き継いだ1910年(明治43年)に土倉龍次郎(どくらりゅうじろう)氏が栽培技術を完成。その方法を公開したことが国内での栽培生産の発展につながり、土倉氏は「日本のカーネーションの父」と呼ばれています。
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カーネーションといえば「母の日」。
アメリカの南北戦争(1861~1865年)の時、敵味方なく負傷兵の看護に尽くした母アン・ジャービスさんをしのんで、娘のアンナ・ジャービスさんが1907年5月教会で集会を開き、母が好んでいた白いカーネーションを配ったのがはじまりだそう。
アンナさんの「母の日」を公式に制定する運動ののち1914年、5月の第2日曜日が「母に感謝する記念日・母の日」と定められたのだそう。
カーネーションも奥深いお花でした。
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